蔵書5万冊、国内最大級 大熊の新教育施設「図書ひろば」
大熊町が町内大川原地区に新設する幼保・小中一貫教育施設の「図書ひろば」は最大五万冊の蔵書が可能となる。町教委によると、公立小中学校では国内最大級という。東京電力福島第一原発事故に伴う避難後に寄贈された本を並べる「支援文庫」棚を整備し、全国への感謝を発信する。
町教委が七日、町議会全員協議会で初めて施設の模型を示し、基本設計の素案について説明した。施設中央の図書ひろばは一階から二階にかけてすり鉢状に広がる。正面玄関から入ると蔵書が一望でき、一・二階を行き来しやすい構造だ。
町は原発事故発生前から「読書のまち」を掲げ、町立図書館は十万冊超の蔵書を誇った。原発事故で図書館や学校は帰還困難区域に含まれ、子どもが読める本は実質ゼロになった。苦境を知った全国の慈善団体や学校などから二千冊を超える寄贈を受けた。支援文庫にはそれらの本を集める予定だ。
新教育施設は町が二〇二三(令和五)年四月の開校を目指し、整備を進めている。