新型コロナ 療養施設拡充 郡山にも 60室、病床逼迫改善図る

 県内の新型コロナウイルス感染急拡大に伴い、県は無症状者や軽症者らを受け入れる宿泊療養施設として新たに郡山市の宿泊施設に六十室を確保し、県全体で計二百二十室に拡充した。内堀雅雄知事が十八日の定例記者会見で明らかにした。県は宿泊療養施設を効果的に運用することで医療機関の病床の逼迫(ひっぱく)を改善し、救急医療や通常医療が制限される事態を防ぎたい考えだ。

 ■円滑化

 県が郡山市に確保した宿泊療養施設六十室は今月下旬の運用開始を予定している。宿泊施設側の意向で施設名は非公表とした。現在、稼働している福島市の六十室、いわき市の百室と合わせて県全体で二百二十室となる。

 県中心部に位置し、交通の要衝である郡山市で運用することで、他の二施設も含めて感染者の居住地により近い施設を使用できるようになる。医療機関からの移送や直接入所する際などの調整の円滑化も期待される。

 県は感染者への対応について、自宅療養とせず、医療機関での入院治療または宿泊療養施設での療養を基本としている。医師や看護師らの管理下に置き、患者の急な容体の変化に迅速に対応できる環境とし、命に危険が生じる事態を避ける狙いがある。十七日現在の宿泊療養者は五十四人となっている。

 ■ほぼ満床

 県が宿泊療養施設を拡充した背景には、新型コロナ感染者を受け入れる医療機関の病床が逼迫している状況がある。県は感染まん延期に備えて県内の医療機関に四百六十九床を確保している。このうち、現時点で即時に患者を受け入れることができる即応病床は三百五十床。十七日現在の入院者は予定を含め三百一人となっており、即応病床の使用率は86・0%と満床に近い状態となっている。

 県は感染状況に応じて、確保済みの四百六十九床を段階的に即応病床にしていく方針。内堀知事は会見で「今後、即応病床を上積みすれば、救急医療や通常医療との両立が困難な領域に入る」と危機感をあらわにした。県民に対し、「一人一人が感染しない、感染させないために最大限注意した行動を強くお願いする」と訴えた。

 ■一定期間

 宿泊療養施設は感染防止対策の運用上、新たな入所者をすぐに受け入れられないケースがある。

 宿泊療養施設はフロアごとに管理され、同一フロアの感染者が全員退所した後、専門の業者が部屋や廊下など全体を消毒する。数日から一週間ほどかけて消毒や寝具の取り換えなどを行うため、次の入所者の受け入れまで一定の期間を要する。

 一方、県は感染者が医療機関に入院した際、症状の回復を確認した場合に医師の判断で宿泊療養施設に移送する対応を取っている。ただ、宿泊療養施設との距離が離れている地域の医療機関では、回復した感染者をとどめ置くこともあったという。

 県は宿泊療養施設の拡充により、これらの課題解決につなげる。感染の急拡大に備え、宿泊療養施設のさらなる追加も検討している。県新型コロナ対策本部の担当者は「宿泊療養施設の効率的な運用を進め、医療機関の負担軽減につなげる」としている。

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