「視覚障害者の拠点に」 企画第1弾触れる彫刻展 いわき・木村眼科クリニック

 

 東日本大震災で津波被害に遭った、いわき市平豊間に三十日、市内の木村眼科クリニックの研修センター「兎渡路(とどろ)の家」が開所する。木村肇二郎院長(81)は「視覚障害者が気軽に集える拠点にしたい」と願う。

 震災から十年と開院三十年の節目に、地域への恩返しに建設した。木村院長は震災の二年前、硬膜下血腫を患い当時、豊間にあった国立病院機構いわき病院で治療を受けた。入院中は近くの海岸を散歩し、美しい景観に心を癒やした。

 研修センターではコミュニティー形成につながる企画を実施する。教え子らを講師に迎え毎月、目に関する勉強会を開く。看護師の資格を持つ副院長の妻恵子さん(57)と二人三脚で、ボランティアの協力を得ながら運営する。

 事務所を兼ねた研修センターは木のぬくもりにあふれ、視覚障害者に優しい造りにこだわったという。木村院長は「患者や家族をはじめ、訪れた人にとって憩いの場所となればうれしい」と期待している。

 第一弾として三十日から、「触れる彫刻展 潮風にさそわれて」を催す。木村院長の知人で同市の彫刻家湯川隆さん(59)と付き合いのある著名な国内外の作家の作品十六点が並ぶ。新型コロナウイルスの感染防止策として、観覧には事前予約が必要。二月七日から受け付ける。

 申し込みや問い合わせは恵子さん 電話090(6178)8168へ。

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