常磐道17日再開 震度6強で土砂崩れ 相馬-新地
福島県沖を震源とする最大震度6強の地震で土砂崩れが発生し、一般車両の通行止めが続いている相馬市の常磐自動車道相馬-新地インターチェンジ(IC間)は、十七日に通行止めが解除される見通しとなった。東日本高速道路が十六日、発表した。具体的な解除の時間は十六日時点で確定していない。
同社が十四日未明から復旧作業を始め、ダンプトラックなど計約四十台を投入して土砂の撤去を進めてきた。崩落した斜面は整地し、建築材料のモルタルで補強した。路肩には高さ約三メートルの落石防護柵を約五十メートルにわたり設置したほか、大型の土のうを置いて応急の安全対策を講じた。
十五日に大学教授ら有識者が斜面の安全性を確認し、一般通行を再開するめどが立った。同社は今後も有識者の意見を聞きながら安全対策を随時進めていくという。
常磐道は十三日夜の地震により相馬市の相馬IC北側で下り線脇の斜面が崩れ、幅約七十メートル、高さ約十五メートルにわたって土砂が上下線をふさいだ。十四日午後六時に片側一車線の走路を確保し、緊急車両に限り通行を可能としていた。同社によると、土砂崩れに伴う人的被害や巻き込まれた車の報告はないという。
■建物被害2034棟 県内、負傷者は93人に
県の十六日午後三時時点の集計によると、地震による建物の被害は住宅や公共施設、商業施設などを合わせて二千三十四棟に上っている。十五日からの暴風や大雨の影響も受け、負傷者は重傷者五人を含めて九十三人となっている。
県によると、住宅被害は全壊二十棟、半壊三十二棟、一部破損千七百五十五棟。全壊は全て鏡石町で、目視による調査や自己申告による概数という。一部破損のうち約七割の千三百棟は新地町での被害で、屋根の瓦が崩れるなどしている。公共施設の被害は百九十二棟、商業施設や道の駅、介護施設などは三十五棟となった。
新地町の断水、相馬市の飲用制限は十六日までに解消し、水道は県内全域で復旧した。
内堀雅雄知事は十六日、県庁で小此木八郎防災担当相に対し被災者の生活再建やインフラ、中小企業の復旧などの支援を要望した。
内堀知事は今回の地震が東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震の余震とみられているのを踏まえ、復興特別会計による財政措置を求めた。
小此木氏は会談後、報道陣の取材に対し、内堀知事から激甚災害の指定について要望はなかったとした一方、「調査を進めて被害状況を把握し、適切に対応したい」と述べた。