小林さん(いわき出身)芸術院賞 世界的指揮者・作曲家 恩賜賞も

 

 日本芸術院は十八日、優れた芸術活動を表彰する二〇二〇(令和二)年度の日本芸術院賞に、いわき市出身の世界的指揮者・作曲家小林研一郎さん(80)を選んだと発表した。小林さんは特に業績が顕著として恩賜賞も贈られる。

 小林さんは日本フィルハーモニー交響楽団桂冠名誉指揮者、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団桂冠指揮者などを務めている。情熱的な指揮ぶりで「炎のコバケン」と称される。国内外で高く評価されており、日本の音楽文化の発展に貢献してきた。東京芸大名誉教授も務め、多くの若手音楽家を育てている。

 磐城高、東京芸大音楽学部作曲科、同指揮科卒。一九七四(昭和四十九)年、ブダペスト国際指揮者コンクールで一位、特別賞を受けた。一九八八年、日本フィル首席指揮者、二〇一四(平成二十六)年に桂冠名誉指揮者となった。二〇一一年に文化庁長官表彰、二〇一三年に旭日中綬章を受けた。二〇二〇年にはハンガリーの最高位の勲章「ハンガリー国大十字功労勲章」を受章した。

 作曲家としても活躍し、一九九九年の日本・オランダ交流四百年記念委嘱作品「パッサカリア」は各地で再演されている。

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生後、県内でたびたび公演を催し、県民を元気づけている。小林さんは「とても光栄。支えてくれる人たちに感謝したい」と喜びを語った。

 県内出身者の日本芸術院賞・恩賜賞受賞は一九九八年度に郡山市出身の作曲家湯浅譲二さんが受けて以来。

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