震災10年、聖火駆ける Jヴィレッジスタート、27日まで県内リレー

 新型コロナウイルスの影響により延期された東京五輪聖火リレーは二十五日、Jヴィレッジ(楢葉・広野町)をグランドスタートし、百二十一日間かけ全国四十七都道府県を巡る「希望の灯(ともしび)」の旅路が福島県から始まった。初日は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十年となった被災地を中心に浜通りの十市町村を七十八の走者枠で計百人の聖火ランナーが駆け抜けた。新型コロナ感染防止対策として出発式を無観客とするなど異例の対応の中、福島県復興の現状を国内外に発信した。

 Jヴィレッジは原発事故により一時、廃炉作業の前線基地となった。営業再開後の二〇一八(平成三十)年九月に供用を開始した全天候型練習場が出発地となった。

 震災と原発事故が起きた二〇一一年のサッカー女子ワールドカップ(W杯)で優勝した日本代表「なでしこジャパン」のメンバー十六人が国内第一走者を務めた。トーチを掲げた岩清水梓さんを先頭に、当時監督の佐々木則夫さん、元東京電力女子サッカー部「マリーゼ」の丸山桂里奈さんと鮫島彩さん、父親が天栄村出身の大野忍さんらが大役を果たした。

 Jヴィレッジに続き、昨年三月に原発事故に伴う帰還困難区域で初めて避難指示が解除された双葉町のJR双葉駅周辺、新たなまちづくりが進む大熊町の大川原地区などを聖火が巡った。浪江町では二十日に全面開所した道の駅なみえがルートとなった。

 県PRランナーを務める、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんがいわき市、エアロバティック・パイロット室屋義秀さん(福島市在住)が南相馬市を駆けた。最終地点となった同市の雲雀ケ原祭場地で聖火の到着を祝うセレブレーションが催された。

 Jヴィレッジで行われた出発式では橋本聖子大会組織委員会長、丸川珠代五輪相、小池百合子東京都知事、内堀雅雄知事があいさつした。会場は県産の花などで彩られた。

 聖火リレーは二十七日までの三日間、県内二十六市町村の計五一・七一キロを巡る。二十六日は相馬市から会津若松市まで浜通り、中通り、会津地方の九市町村を回る。猪苗代町ではスキー走行が計画されている。

 聖火は昨年三月にギリシャのオリンピアで採火され日本に到着したが、リレースタート二日前の同二十四日に延期が決まり、国内でともり続けていた。

 浪江町で使われたトーチでは、五輪史上初となる水素燃料が使われた。町内にある世界最大級の「福島水素エネルギー研究フィールド」で製造され、震災と原発事故からの復興と次世代エネルギーをアピールした。

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