町民の憩いの場に 大熊町大川原の商業施設開所

 大熊町が町内大川原地区に整備してきた商業施設は五日、オープンした。東京電力福島第一原発事故による居住制限、避難指示解除準備の両区域の避難指示が二〇一九年四月に解除されてから、恒久的な商業施設の開所は初めて。初日から食事や買い物をする町民でにぎわった。 

 町役場東側に立地している。木造平屋で、建築面積は千五百九十四平方メートル。飲食店四店舗、コンビニエンスストア、日用雑貨店、美容室、コインランドリー、電器店の計九店が入居し、フードコートが整備された。このうち、コンビニエンスストア「ニューヤマザキデイリーストア大熊町大川原店」には厨房(ちゅうぼう)が備わっており、焼きたてのパンや出来たての弁当を販売している。 

 営業開始前に開所式が行われ、吉田淳町長が「町民の心の交流と憩いの場となってほしい」とあいさつした。吉岡健太郎町議会議長、蜂須賀礼子町商工会長が祝辞を述べた。 

 商業施設の隣接地に交流施設、宿泊温浴施設の整備を進めており、秋のオープンを目指している。 

■武内さん、笑顔で接客 軽食・喫茶レインボー

 「お帰り」「やっとここまでこられた」 

 軽食・喫茶レインボーで、以前の常連客から声を掛けられた店主の武内一司さん(67)は笑顔で応えた。 

 店内には、以前の店で常連客と撮った写真が飾られ、懐かしい洋楽が流れている。 

 町内の災害公営住宅に住む伏見明義さん(70)と照さん(68)夫妻は営業開始後、駆け付けた。明義さんは照さんと「やっぱりレインボーで飲むコーヒーは最高」とほほ笑んだ。 

 武内さんは一九七八(昭和五十三)年に福島第一原発から南に四キロほどの場所に「レインボー」を構えた。原発事故による避難先の会津若松市で店を再開。商業施設の開所に合わせ、古里での店舗再開を決断した。 

 武内さんは「少しずつ以前の店のようにしていく」と前を向く。 

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