実証栽培のもち米「あぶくまもち」を稲刈り 福島県飯舘村で11年ぶり

 
 福島県飯舘村が東京電力福島第一原発事故からの農業再生に向け、実証栽培してきた中山間地域向けのもち米「あぶくまもち」の稲刈りは27日、同村前田の水田で実施された。村内での収穫は11年ぶりで、村は収量や食味などを確認し来季以降の生産拡大を目指す。

 実証田は約16アール。杉岡誠村長や岩野英一県相双農林事務所農業振興課長らが手刈りをし、栽培を担った地元農家の青田豊実さんがコンバインで稲穂を刈り取った。終了後、杉岡村長は「復興再生を推し進めるブランドになることを願っている」と期待した。

 あぶくまもちは、県が1993(平成5)年から15年程度掛けて開発した。冷害に強く、中山間地域でも安定した品質と収量が確保できる。蒸し上がりやつき上がりの早さ、丸めやすさなどに優れ、硬化が早いため食品加工に適しているという。

 村内では2009年に約1ヘクタール、2010年には約19・4ヘクタールで作付けされたが、原発事故により生産が中断していた。村は今年度、地域農業の復興をけん引する品種として試験栽培を始めた。

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