浪江の復興状況視察 チェコ駐日大使 水素・ロボ研究、連携示唆
チェコのマルチン・トムチョ駐日大使は十九日、浪江町を訪れ、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十年が経過した町の復興状況を視察した。子どもの交流をはじめ、将来的に水素・ロボット産業の研究機関の連携の可能性も示唆した。
チェコと浪江町は、震災と原発事故後、保養滞在プロジェクトとして、浪江町の中学生をチェコに招待した経緯がある。チェコと日本の国交樹立百周年を記念し、駐日大使がこれまで交流のある地域を訪問している。
トムチョ駐日大使は道の駅なみえで、吉田数博町長と懇談した。道の駅には、チェコと日本の交流百年の歩みを紹介した展示物が並んでいる。道の駅に先立ち、世界最大級の水素製造実証拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」がある棚塩地区を巡った。請戸地区の大平山霊園を訪れ、慰霊碑に献花した。
トムチョ駐日大使は十年間の復興をたたえるとともに、チェコで研究が進む水素やロボット関連産業の交流を図っていきたい考えを示した。日本・チェコ友好議員連盟メンバーの増子輝彦参院議員(無所属、福島県選挙区)が同行した。
双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館も訪れた。