大規模災害対応想定 ドローン飛行試験へ 南相馬

 

 南相馬市は二〇二一(令和三)年度、海上、沿岸、平野、山間部など地形に応じた大規模災害を想定し、小型無人機(ドローン)の飛行試験に乗り出す。被害状況を迅速に把握するための体制構築を目指す。市の飛行試験計画が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募型事業に採択された。市が六日に発表した。 

 採択は四月三十日付。地元のドローン関連企業五社とともに早ければ九月から市内八カ所で試験を実施する。参加企業は【表】の通り。 

 試験では各社が機体にNEDOの運航管理システム端末を取り付けて飛ばし、写真や映像を撮影する。モニターで周囲のドローンや有人機を認識しながら飛行できるかを確かめる。収集した情報をテラ・ラボが三次元データに加工し、市の災害対策本部など関係機関と共有できるようにする。 

 十一月末まで試験を行い、年内にNEDOに成果を報告する。予算規模は約二千万円で、NEDOが全額負担する。県と福島ロボットテストフィールド、南相馬ロボット産業協議会が協力する。 

 市ロボット産業推進室によると、災害発生時は人の立ち入りが難しい山林での対応などが課題となる。清信一芳室長は「空からの情報収集は速やかな災害対応の体制づくりに有効と考えている」と語った。 

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