5月900人超、月別最多 大型連休で家庭内感染増要因か 福島県内コロナ感染
県は県内で四十三人の新型コロナウイルス感染が確認されたと十九日、発表した。四十三人の陽性は十八日までに判明した。一日から十八日までの新規感染者数は九百二十二人で、四月の八百八十八人を上回り、月別の過去最多を更新した。月半ばにして初の九百人超で、五月は千人台が不可避の感染状況となっている。県は非常事態宣言に基づき、全県民に引き続き感染対策の徹底を呼び掛けている。
■43人陽性 19日県発表分
県内の月別の感染者数の推移は【グラフ・上】、一日から十八日までの新規感染者の市町村別の割合は【グラフ・下】の通り。年末年始の移動などで今年一月に七百人を超え、年度替わりに伴う交流の活発化で四月には八百人を上回った。五月は会津若松、いわき両市を中心に感染がさらに拡大した。県は五月の感染状況について、大型連休中の外出や会合により家庭内を中心に感染が拡大していると分析している。
県内感染者に占める家庭内感染の割合は五月(十八日時点)が29・9%で、四月の23・0%から6・9ポイント増加している。県は大型連休中に家族や親類で行ったバーベキューを起点に感染が広がった事例があり、屋外でも適切な対策を講じなければ感染が拡大する恐れがあるとして注意を促している。
さらに変異株の脅威も高まっている。県衛生研究所などが十六日までに県内の感染者の検体を抽出して実施した変異株検査では、感染力が強いとされる変異株「N501Y」の割合が四月は25・6%だったが、五月は56・0%と倍増している。県は変異株の流行も県内の感染速度を加速させている一因とみている。
十八日現在の入院者は予定を含め三百六十八人で、県が確保している病床四百六十九床の使用率は78・5%(前日比1・7ポイント増)となった。感染状況が最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標「50%以上」を二十七日間連続で上回っており、危機的な病床逼迫(ひっぱく)状況が続いている。
県は全県的な感染拡大を受けて非常事態宣言を発令し、三十一日まで全県民に対し不要不急の外出自粛、酒類などを提供する飲食店への営業時間短縮を要請している。
県内で一日から十八日までに陽性が判明した感染者の市町村別内訳は次の通り。
▽会津若松=292人▽いわき=205人▽郡山=96人▽福島=81人▽喜多方=53人▽会津美里=33人▽二本松=27人▽南相馬=24人▽下郷=15人▽会津坂下=11人▽伊達=9人▽白河、国見、猪苗代=各7人▽只見、南会津、湯川=各5人▽須賀川、相馬、柳津=各4人▽大玉、西会津、三春=各3人▽三島、矢吹、富岡=各2人▽田村、本宮、磐梯、西郷、小野、楢葉、大熊=各1人▽県外=6人
■高齢女性2人死亡
県は新型コロナウイルス感染で県内の医療機関に入院していた八十代女性と九十歳以上女性の死亡が確認されたと十九日、発表した。二人は十八日に死亡した。
十八日までに陽性が判明した四十三人のうち約半数の二十二人は感染経路不明だった。県内での死者は累計百三十三人となった。県内の感染者は累計四千三百三十一人となった。県発表の四十三人の内訳は次の通り。
▼いわき市・15人▼郡山市・10人▼会津若松市・4人▼喜多方市・4人▼福島市・3人▼西会津町・3人▼二本松市・2人▼大玉村・1人▼会津美里町・1人