原因は高線量「ゲル」 第一原発排水路 放射性物質濃度上昇 東電発表
東京電力福島第一原発の1号機原子炉建屋北側を通る「物揚場排水路」で三月に雨水の放射性物質濃度が上昇した問題について、東電は二十日、排水路上流にある廃棄物一時保管エリアのコンテナから漏えいした高線量のゲル状の塊が原因だったと発表した。
東電によると、コンテナに保管していた吸着剤から染み出た水分によってコンテナの一部が腐食し、最大で毎時一三ミリシーベルトのゲル状の塊がコンテナの外に漏えいした。降雨によって雨水がゲル状の塊に当たり、放射性物質を含んだ雨水が排水路に流れ込んだとみられる。
東電はゲル状の塊とコンテナ底部の水について分析し、核種や化学的な性質が類似しているとして関連性があると結論付けた。
原子炉等規制法に基づき、福島第一原発の核燃料物質防護規則に該当するとして東電は二十日、原子力規制庁に報告した。
東電は対策として、塊が漏れ出たエリアの地表面のアスファルトを剥ぎ取り、再舗装した。今後、構内で内容物が把握できていない約四千基のコンテナについて内部の水分の有無を確かめ、エリア周辺の側溝などの点検を強化する方針。