受動喫煙地域で防止 福島県条例4月施行 啓発の動き拡大 医師ら団体設立
県内で受動喫煙防止を啓発する動きが広がっている。医師らが県民の意識向上を目指す団体を設立し、三十一日から各地の無線鉄塔や病院などを黄緑色の明かりで照らす「イエローグリーンライトアップ」を繰り広げる。関係者は「一人一人の周囲への気配りが大切になる」と呼び掛けている。
団体は「Tobacco-freeふくしま」で、四月に十八人の医師らが設立した。禁煙週間に当たる三十一日から六月六日まで、県内約四十団体の協力を得て、東北電力ネットワークの福島、いわき、会津各電力センターや福島医大などで夜間にライトアップ活動を繰り広げる。黄緑色は受動喫煙防止の色として全国的に使われている。
四月には「ふくしま受動喫煙防止条例」が施行された。「学校などに喫煙所を置かない」「家庭や車で吸わない」などと明記されている。他にも「臭気や残留物に関して配慮に努める」とし、喫煙者にモラルやマナーの徹底を求めている。
福島、田村の両市は独自に受動喫煙防止に関する条例を定めている。福島市はJR福島駅周辺を「受動喫煙防止重点区域」に指定し、三月から違反者に二千円の過料を求めている。市健康推進課の担当者によると二十七日現在、過料の対象となった市民はいない。
県医師会常任理事を務めるTobacco-freeふくしまの斉藤道也代表は「コロナ感染者が吸ったタバコの煙や臭いがその場に残っていれば、ウイルスが漂っている可能性もある。周囲の人を危険にさらさないためにも、喫煙する際にはマナーを厳守してほしい」と訴えている。