福島県の処理水影響説明を 福島県町村会決議採択 風評対策求める

 

 福島県の東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水を巡り、県町村会は一日、処分による影響が懸念される農林水産業など地元関係者や国民への丁寧な説明と実効性のある風評対策を講じるよう国と東電に求めることを決めた。福島県福島市の福島グリーンパレスで開かれた総会で、処理水に関する内容を盛り込んだ「ふくしまの復興・再生に向けた特別決議」を採択した。

 会長の佐藤淳一磐梯町長は冒頭のあいさつで、政府による処理水の海洋放出方針の決定について「国内外への情報発信や説明が不十分で、結論ありきと言わざるを得ない。極めて遺憾だ」と批判した。「福島県内のあらゆる産業に影響が生じないよう実効性のある対策を強く求める」と強調した。

 帰還困難区域全体の復興に向けた避難指示解除への具体的方針の早期明示や、除染に伴う除去土壌などの県外最終処分に向けた国民の理解醸成、国際教育研究拠点に関する基本構想の早期策定なども併せて求める。

 新型コロナウイルス感染症対策に関する特別決議も採択した。円滑なワクチン接種に必要十分なワクチン量の確保・供給、町村への財政支援などを国に要望する。

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