営農型太陽光発電施設が完成 サカキ生産・販売「彩の榊」 いわきに整備

 

 神事などに用いられる国産サカキを生産・販売する「彩の榊(さいのさかき)」(本社・東京都、佐藤幸次社長)は、太陽光発電と農業を両立させた営農型太陽光発電施設を福島県いわき市山玉町に整備した。二日、完成記念セレモニーが行われた。 

 同社と、太陽光発電の設計や管理などを手掛けるアースコム(本社・埼玉県、丸林信宏社長)が展開する「ミライ型農業プロジェクト」の初の施設。約六百平方メートルの耕作放棄地に地上約二・六メートルの高さの太陽光パネル約二百枚を設置し、その下で約二百七十株のサカキを育てる。年間発電量は七万五千六百五十九キロワットで、東北電力に売電する。 

 サカキの栽培は地域の福祉施設などの利用者が担い、三年後の収穫を予定している。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故前、浜通りは良質なサカキの生産地として全国に知られていたこともあり、首都圏を中心に「浜通りサカキ」として販売し、本県の復興を後押ししたい考えだ。 

 両社は今後、事業に賛同する投資家から資金を調達し、二〇三〇年までに浜通りの耕作放棄地などで同様の施設整備を進める。再生可能エネルギーの普及や農業の復興再生、福祉施設などと連携した雇用創出を目指す。 

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