浜に群れなすハマボウフウ 福島・いわき市 準絶滅危惧種…数増える
かつて乱獲され本県で絶滅の危険が高まったセリ科のハマボウフウが、東日本大震災の津波被害後に人の立ち入りが減った福島県いわき市の新舞子ビーチで、数を増やしている。好天に恵まれた十日、浜に群れなすカリフラワー似の白い花が潮風に揺れ、散策する人の目を楽しませていた。
この植物は園芸用や食用に人気で、約二十年前に県の絶滅危惧Ⅱ類に指定。その後、数が回復し二〇一七年に準絶滅危惧種に変更となった。
被災地の植物分布を研究している福島大の黒沢高秀教授は「埋まっていた種子が津波で掘り返されて発芽したほか、東京電力福島第一原発事故の影響で採取する人が減ったためだ」と分析する。その上で「安心して浜の山菜を楽しめるようになってほしい半面、乱獲されないよう保護区を設けるなどの工夫が必要だ」と話している。