震災の津波で被災 解体された清之神社再建へ 福島県楢葉町

 

 東日本大震災の津波で被災し解体された福島県楢葉町の清之(せいの)神社が再建される。住宅メーカーの創建(本社・大阪市)などが災害被災神社再建・復興プロジェクトとして無償での建設を決めた。氏子らは東京電力福島第一原発事故で離れ離れになった住民の絆を取り戻すきっかけになると期待している。

 同社などが取り組むプロジェクトでは、双葉町の諏訪神社など3つの神社の再建を無償で手掛けてきた。県神社庁を通して清之神社の氏子らが再建を目指していると知り、神社建設を名乗り出た。

 清之神社は楢葉町の前原地区にあり、震災前は夏祭りなど季節ごとに行事が開かれ、住民が交流を深める場になっていた。しかし、震災による津波で神社の土台が傷み、2016(平成28)年ごろに解体された。

 楢葉町の帰還率は6割を越えているが、前原地区は半分以上の世帯が津波による被害を受けた影響で住民帰還が遅れ、約80世帯のうち約30世帯しか戻っていない。氏子総代の梶原活司さん(56)は「住民の結びつきの場として再建を検討してきたが、金銭面で難しかった。無償再建の申し出はとてもありがたい」と歓迎する。

 17日に現地で地鎮祭が行われ、年内には建物が完成する予定。地鎮祭を前に周辺の草刈りなどを仲間と行った梶原さんは「来年、夏祭りを復活させ、住民のつながりを保っていきたい」と語った。

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