あぶくま信用金庫の太田福裕理事長が広島を訪問 震災と原発事故からの復興状況を発信 

 

 福島県南相馬市のあぶくま信用金庫の太田福裕理事長は5日、広島市を訪れ、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの本県の復興状況を発信するとともに、広島の原子爆弾投下からの復興の歴史を学んだ。

 原発事故が起きた本県と原爆が投下された広島、長崎両県の金融機関がスクラムを組んで風評と風化を防ごうと、広島信用金庫(本店・広島市)、たちばな信用金庫(本店・長崎県諫早市)と始めた相互交流の一環。今年3月には両信金の役職員が相双地方を視察している。

 広島信金本店では、同信金の武田龍雄会長、川上武理事長らが出迎えた。太田理事長は「震災と原発事故直後も逃げることなく営業を再開し預金の払い戻しを始めたことで、地域住民の信頼を得られた。広島も(復興に向けて)大変な努力があったと思う。私たちも震災と原発事故を風化させることなく、これから10年、20年、50年たっても復興を目指していく」と語った。あぶくま信金の折笠晴久常務理事が同席した。

 太田理事長は広島信金が原爆投下後に苦難を乗り越え、営業を再開するまでの歩みについて説明を受けた。語り部の飯田国彦さんからは投下直後に自身が生き埋めになった生々しい話を聞いた。引き続き、平和記念資料館、平和記念公園などを見て回った。

 1945(昭和20)年に広島市に原爆が投下された6日には広島信金本店で行われる慰霊祭に参列する。

 9、10の両日には、原爆が投下された長崎市と、たちばな信金の本店がある諫早市を訪問する。

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