野行地区で野菜の試験栽培始まる 福島・葛尾の特定復興再生拠点区域

 

 東京電力福島第一原発事故に伴い帰還困難区域となっている福島県葛尾村野行地区で29日、野菜の試験栽培が始まった。

 試験栽培が始まったのは野行地区に設けられた特定復興再生拠点区域。村は同区域について2022(令和4)年春ごろの避難指示解除を目指している。

 地元の農家らでつくる野行農業生産組合の会員や村職員ら約10人が参加した。地区内の農地3カ所計6アールにブロッコリー、キャベツ、ホウレンソウ、コマツナ、カブの種と苗を植えた。野生動物による被害への対策として電気柵を設置した。収穫は10月末の予定。収穫した野菜は放射性物質の濃度を確認するために使い、残りは全て廃棄される。

 半沢富二雄組合長(68)は「地区の住民と協力して農地を管理し、農産物の安全性を確認していきたい」と話した。半沢組合長とともに農作業に取り掛かった野行地区集落営農組合の金谷喜一組合長(69)は「放射線量が異なる3カ所で栽培しているため、どのような結果が出るか不安だ」と語った。

 同地区では今年5月からコメの試験栽培も始まっている。

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