【内田新いわき市政の課題(中)】人口減少対策、国施策と連携

 

 福島県いわき市長選で当選した内田広之氏(49)は「人口減少対策」を政策の柱に据えた。市の人口は2020(令和2)年の国勢調査(速報値)で33万3202人と、東北地方で仙台市に続いて2番目に多い。ただ、市の推計では40年後には人口がほぼ半分になる見通しとなっている。

 市は今春に公表した人口ビジョンで、2060年の将来人口を17万3782人(2020年比48%減)と見積もった。

 2015年には75歳以上の後期高齢者1人を15~64歳の生産年齢人口4・1人で支えていたが、2060年には後期高齢者1人を生産年齢人口1・4人で支えると試算している。

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 少子高齢化は市の中心部でも起きつつある。中央台地区は「いわきニュータウン」として開発され、1982(昭和57)年の分譲開始から約40年が経過した。当初入居した住民の多くが高齢化している。8月現在で同地区飯野一丁目に住む1266人のうち52・7%が65歳以上の高齢者となっている。

 「このままでは地区が消える」。長年地域のPTA活動などに携わってきた清水久弘さん(66)は2017(平成29)年、地区の有志らでつくるまちづくり組織「中央台みらい会議」を発足させた。2020年の中間報告では情報技術(IT)を活用した将来の街の姿をまとめた。

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 内田氏は政府が浜通り地方に整備する国際教育研究拠点との連携や再生可能エネルギー工業団地の誘致を通じて人口減少対策につなげるとしている。中央台みらい会議の清水さんは「国の施策と連携が取れれば、人が増えて少子高齢化に歯止めがかけられる」と新市長の手腕に期待した。

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