「陶芸の杜おおぼり」は2022年度中に復旧の見通し 福島・浪江町

 
 福島県浪江町が再開に向け整備を進めている大堀相馬焼の拠点施設「陶芸の杜おおぼり」は、2022(令和4)年度中に復旧する見通しとなった。東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、町が2023年春に目指している特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示解除に合わせ、施設を再開させる方針。町が12日に町地域スポーツセンターで開いた帰還困難区域に関する説明会で示した。

 町によると、陶芸の杜おおぼり周辺の除染は既に完了しており、建物や設備の損傷状況を確認し、改修を進める。復旧後、復興拠点の避難指示解除とともに、資料館や陶芸のイベント会場として活用していく考え。

 大堀相馬焼は300年以上前から浪江町に伝わる国指定の伝統的工芸品。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起きるまで、大堀相馬焼協同組合が施設に事務所機能を置き、作品を展示販売していた。

 施設周辺に居を構えていた20数軒の窯元は町外へ避難を余儀なくされた。現在、約半数の窯元が各地で窯を再建した。協同組合は3月に開所した道の駅なみえの「なみえの技・なりわい館」に事務所と工房を設けた。

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 大堀地区の陶芸の杜おおぼりと大堀相馬焼の里は「文化的な価値のある施設」として、室原、末森、津島の3地区とともに復興拠点となっている。

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