デブリ可能性の堆積物発見 1号機で初 東京電力福島第一原発の格納容器調査
1号機の格納容器底部の水中で確認した塊状の堆積物(東京電力ホールディングス提供)
2022/02/11 09:21
東京電力は10日、福島第一原発1号機原子炉格納容器の底部をロボットで撮影した結果、水の中で塊状の堆積物が新たに見つかったと発表した。堆積物は、事故前に燃料が入っていた原子炉圧力容器の真下の空間につながる箇所にあり、「溶融核燃料(デブリ)の可能性がある」とした。1号機でデブリの可能性がある物体を確認したのは初めて。映像はデブリ取り出しに向け、貴重なデータとなる。
映像は9日、カメラ付きのロボットを遠隔操作で水中に潜らせて撮影した。格納容器底部を移動させ、圧力容器の真下につながる「開口部」と呼ばれる隙間の様子を捉えた。
映像には、黒っぽい岩のような塊が映っていた。大きさや性状は現時点で不明。表面には凹凸があり、茶色っぽい物質が付着していた。核燃料は圧力容器の底を突き破って落下し、固まった可能性がある。
東電の担当者は10日夜の記者会見で「(デブリ取り出しの)検討材料になる」と成果を語った。炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機のうち、1号機は唯一、デブリの可能性がある物体を確認できていなかった。
廃炉作業の最難関とされるデブリ取り出しに向けて一歩前進したが、格納容器内部の一部を捉えたに過ぎない。取り出し方法を決めるにはデブリの状態や分布などの情報が不可欠で、東電は今後、別のロボットを投入して詳しく調べる。
1号機の調査は2017(平成29)年3月以来。撮影した映像は福島民報ホームページで確認できる。
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今回のロボットは、今後投入する別のロボットの通り道となる「ガイドリング」と呼ばれる輪を取り付ける作業を計画通り終了。10日に格納容器内部から搬出した。