福島県都路の現状発信 食味わい画面越し交流 きっかけ食堂

 

オンラインで全国の人と交流する(左から)今泉清司さん・富代さん夫妻と大島さん

 

2022/02/12 20:50

 

参加者の元に届けられた都路の食材

 

 食を通して東日本大震災の被災地に思いを寄せる「きっかけ食堂」は、震災から10年11カ月の11日、福島県田村市都路町をテーマにオンラインで開かれた。地域活性化に尽力する都路の3人の話を聞き、全国の人が復興の現状や地域の魅力に触れた。

 都路町の「よりあい処 華」と各地の参加者を結んで実施した。都路町は、東京電力福島第一原発事故の発生で一時、避難区域が設定された。避難解除後に町に戻り、「よりあい処 華」を開いた今泉清司さん・富代さん夫妻と、ワッフルの移動販売店「Kokage Kitchen(コカゲ・キッチン)」を営み、クラフトビール製造会社「ホップジャパン」で醸造士も務める大島草太さんが出演した。

 清司さんは震災と原発事故発生直後の様子を説明し、「今は元の生活を取り戻しつつあるが、心がまだ癒やされていない気もする」と率直な思いを明かした。富代さんは「人と人とのつながりが大切だと実感している」などと語った。

 大島さんは「都路は、楽しいことを自分たちでつくっていける場所」とアピールした。

 参加者は事前に手元に届いた「かんぷら芋」や「いか人参」、ホップジャパンのビールなどが詰まった「都路セット」を味わいながら、話に耳を傾けた。共感の輪が広がり、「都路に行ってみたい」との声が上がった。

 NPO法人きっかけ食堂が主催し、田村市の一般社団法人スイッチが協力した。

 

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