富岡町の準備宿泊4月11日開始 福島
2022/03/02 21:07
政府と福島県富岡町は2日、東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、来年春の避難指示解除を目指している町内の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の準備宿泊を4月11日に開始すると決めた。対象は1日現在、1431世帯3553人。事前の意向調査で52世帯が希望している。
2日の町議会全員協議会で町が開始日を示し、了承された。町はこれまで開始日は「ゴールデンウイークごろ」としていたが、できるだけ早い開始を望む住民の意向に応え、2週間以上前倒しした。
対象地域は夜の森地区を中心にした約390ヘクタール。1月26日には立ち入り規制が緩和され、区域内にある夜の森地区の桜並木2・2キロ全体の観桜が可能になった。準備宿泊直前の4月9、10の両日には桜並木周辺で桜まつりが開かれる。
町は3月14日、対象者に案内通知を発送。上水道の使用開始手続きの開始を経て、4月3日から県内3カ所で説明会を開く。
全員協議会の席上、山本育男町長は「開始日は震災から11年1カ月の日。避難指示の解除に向け関係機関と連携する」と語った。
準備宿泊は本来、避難指示区域内で禁止されている自宅などでの宿泊を特例的に可能にする制度。希望者は今月22日から受け付けを始めるコールセンターに連絡し、事前登録する必要がある。