大学生2人が福島県双葉町の現状を紹介 企業インターン通じ復興支援
双葉町を多くの人に知ってもらうため活動を続ける佐々木さん(左)と宮下さん=日本橋ふくしま館MIDETTE
2022/03/08 17:30
東洋大国際学部の佐々木美典さん(2年)と宮下桃華さん(1年)は企業インターンを通じ、東京電力福島第一原発事故により全町避難が続く福島県双葉町の現状を首都圏の人々に知ってもらう活動を続けている。
2人は、太陽光充電式携帯ランタン「キャリー・ザ・サン」の製造、販売を手掛けるランドポート(本社・東京、伝馬綾社長)のインターンに参加している。ランタンの「双葉町復興応援モデル」を販売をしながら、町の認知度向上のための施策を独自に考え、実行に移してきた。
現在は、東京・日本橋の県のアンテナショップ「日本橋ふくしま館MIDETTE(ミデッテ)」に出向き、店頭で町の現状を伝えている。会員制交流サイト(SNS)も活用し、活動で得た情報の発信も始めた。
佐々木さんは幼少期を町で過ごした。宮下さんは静岡県出身。アート製作会社「オーバーオールズ」が町で行う壁画プロジェクトを知り、町の置かれる状況に興味を持った。昨年10月、佐々木さんは約14年ぶり、宮下さんは初めて町を訪れ、荒れ果てた住宅街や沿岸部などを見て回った。
原発事故から11年となる11日、ランドポートの社員向け双葉町見学ツアーを企画した。2人が案内役を務め復興の現状を伝えるほか、キャリー・ザ・サンを町に並べ、希望の明かりを灯(とも)す。「少しでも町の人々に安らぎを感じてほしい」。ランタンとともに祈りを込める。