初の福島県川内産ワイン完成祝う 「かわうちワイナリー」でお披露目会

 

初の川内村産ワインの完成を喜ぶ遠藤村長(右)と猪狩社長

 

2022/03/17 07:42

 

 福島県川内村の「かわうちワイナリー」で醸造した初の村産ワインが16日に完成し、同所でお披露目会が開かれた。関係者は、東京電力福島第一原発事故に伴う全村避難から丸11年となった日に出来た香り豊かなワインを味わい、村の農業再生と観光振興につながることを願った。

 関係者ら約30人が出席した。かわうちワイン社長の猪狩貢副村長が「感無量だ。ワインを中心に異業種と連携し、相乗効果を高める」と述べた。遠藤雄幸村長があいさつし、復興庁福島復興局の生沼裕局長らが祝辞を述べた。村商工会の井出茂会長の発声で乾杯した。

 完成したのは村産シャルドネの白ワイン「ヴィラージュ・シャルドネ」と山形県産カベルネソーヴィニヨンのロゼ「リベル・ロゼ・スウィート」の2種類。価格は白ワインが750ミリリットル入り3150円(税込み)、ロゼが500ミリリットル入り1870円(同)で、ワイナリーや村内の酒販店で販売している。

 村では2016(平成28)年春に標高約750メートルの高田島ヴィンヤードでブドウ栽培を開始。現在は4ヘクタールの畑で約1万2000本を栽培している。

 2019年は天候不順で収穫できなかったが、2020年に初収穫。昨年は7・5トンのブドウを摘み取り、ヴィンヤード近くに完成したワイナリーで醸造を進めていた。遠藤村長は「6年間の思いが詰まったワイン。村の特産品との相性も良い」と期待を寄せた。村は今月下旬、村内全世帯にワインを贈る。

 

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