オリジナルのお守り販売 福島県南相馬 日鷲神社の氏子ら手作り

 

藍染めのお守りを手にする西山宮司(左)と喜代子さん

 

2022/03/28 21:17

 

 同神社の主祭神である「天日鷲命(あめのひわしのみこと)」は、農業や養蚕などの産業を各地に広めたとされる。信仰や産業の伝播とともに徳島県の阿波から海路を伝って千葉県(安房)に渡り、平将門の信奉を経て、1364年に相馬藩主の命により現在の場所に鎮座した。

 東日本大震災後に同神社の西山典友宮司が徳島市で藍染め工房を営む林広さんとの縁が生まれ、天日鷲命が広めたとされる藍の種を譲り受けた。氏子らの協力を得て藍を栽培して藍染めの原料となるスクモを作り、西山宮司の妻の喜代子さんらが絹の布を染めた。京都府の業者に製作を依頼し、澄み渡る青空のように鮮やかな色のお守りが完成した。

 東京電力福島第一原発事故で西山宮司は避難を余儀なくされ、今月16日の地震では鳥居が倒壊する被害が出た。それでも西山宮司は困難に負けないと前を向く。

 4月10日には同神社の春季例大祭が催される。西山宮司は「お守りは長い時を経て徳島と当神社がつながってできた奇跡のたまものだ」と感慨深げに話す。相双地方では災害が相次いでいるが、「皆さまに幸福をもたらすと信じている。ぜひ参拝して買い求めてほしい」と呼び掛けている。

 お守りは桐(きり)箱入り1個1000円で、300個限定。問い合わせは西山宮司へ。

 

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