正面玄関前に「安全通路」 地域住民らが花で飾る 福島県相馬市の中村二中

 

コンクリート製資材で作られた「安全通路」沿いに花のプランターを飾る関係者

 

2022/04/04 18:10

 

 3月16日の地震で校舎の一部に被害が出た福島県相馬市の中村二中で、6日の入学式と始業式を前に、生徒が安全に校舎へ出入りできるよう正面玄関前など2カ所にコンクリート製資材を用いた「安全通路」が設置された。これを受けて学校関係者や地域住民、市教委職員は4日、子どもたちを少しでも明るく迎えたいと通路沿いに花のプランターを飾った。

 地震で校舎の屋根が損傷した。市教委が調査して屋根以外の部分は安全が確認され、今年度も校舎を使って教育活動ができる。ただ、今後は修復工事もあり、損傷した屋根からの落下物など万一の事態も想定されることから、生徒の安全を確保するため、市が校舎南側の玄関前と同西側の非常口前に通路を設けた。

 新学期の始まりに合わせて「灰色の通路を少しでも明るい雰囲気にしよう」と、PTA役員や教職員、市教委や地域住民が協力し、花の植栽を計画した。市内の建設会社小野中村がスミレやガーベラなどの花の苗240個を提供。4日朝は約20人が同校に集まり、花苗をプランターに植え替えて通路沿いに飾った。

 作業に汗を流したPTA会長の横山英彦さん(51)と副会長の小幡広宣さん(45)は「コロナ禍や地震で思うような学校生活ができない子どもに激励の気持ちが伝われば」と話した。今後は東日本大震災を契機に小幡さんとつながりがある画家の高岡洋介さん(東京都在住)を招き、通路の壁面に絵を描いてもらう計画もある。

 星健一校長(59)は「生徒が笑顔で登校する姿が思い浮かぶ。行政や地域の協力で安全に学べる環境を整えていただいた」と感謝した。

 

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