復旧費負担軽減へ 福島県沖地震支援グループ補助金控除方法見直し 政府
2022/04/28 10:12
3月の福島県沖を震源とする最大震度6強の地震で被災した中小企業の事業再開や継続を支援する「グループ補助金」について、政府は事業者が支払う復旧費用の自己負担分を特例で軽減する方向で最終調整に入った。事業者が任意加入する災害保険金や共済金の控除方法を見直す。経済産業省が27日、福島県内の市町村や商工団体向けの説明会で示した。
新たな控除方法のイメージは【図】の通り。現行制度は復旧費用から保険金や共済金を差し引いた金額の4分の3を上限に補助しており、自己負担分が発生する。見直しによって、保険金や共済金を含めた合計額を基に補助額を算定し、復旧に必要な額と同等の金額を確保できるようにする。自己負担分を超えた分については半額を補助金から控除し、残額は事業者の手元に残る。
グループ補助金は複数の事業者が共同で復興計画を作り、都道府県が認定すれば事業者が個別に補助金を受け取れる。昨年2月の福島県沖地震では県内で578社が利用した。県は同規模の申請があると見込んでいる。
政府は被災前の状態に戻すことを原則とする交付方針を改め、補助金の範囲内で防災や減災に向けた改良・補強を認める見通し。
しょうゆ、みそを製造する安斎醸造(福島県桑折町)は3月の地震で工場の設備にひびが入るなどの被害があり、昨年2月の地震に続いて申請を検討している。安斎公一社長(57)は「事業者に配慮した内容に見直されれば、格段に使い勝手が良くなる」と語った。