はと保育園、新園舎で受け入れ開始 台風19号で浸水し再建 福島県いわき市

 

浸水被害から再建した新園舎で園児と遊ぶ坂本園長(中央)

 

2022/05/16 17:40

 

浸水被害を教訓に床を高くした「はと保育園」の新園舎。地震にも強い構造とした

 

 2019年の台風19号で浸水被害を受け、園舎の再建を進めていた福島県いわき市平赤井の「私立はと保育園」は16日、完成した新園舎で園児の受け入れを始めた。水害発生後、敷地内の仮設園舎で保育活動を続けてきた。坂本佳友園長(64)は「保護者と地域の支援のおかげで再建できた」と感謝し、安全安心な保育活動を通じて恩返しする決意を新たにした。

 新園舎は元の園舎があった場所に建設した。鉄骨平屋で延べ床面積は1361平方メートル。浸水被害を教訓に床を約1・8メートルに高くしたほか、地震にも強い構造とした。床やドアに木材を数多く使用した。建設費の一部は国の補助事業を活用した。

 はと保育園は1955(昭和30)年の創立。台風19号による大雨で園舎が最大2メートル以上浸水したほか、送迎用のバスや車両計6台が水没した。2020年5月から、園庭に整備した仮設園舎を使用してきた。水害発生後、市内の大学生らが後片付けのボランティアに取り組んだほか、団体などが支援金を寄せた。

 現在、ゼロ歳児から就学前までの子ども123人と、放課後児童クラブに通う小学生42人を受け入れている。この日、園児が真新しい園舎での生活をスタートさせた。坂本園長は「ここまでの道のりは長く困難だったが、さまざまな支援に助けられた。生き生きと遊ぶ子どもの表情を見ていると、再建できて本当に良かったと感じる」と感慨に浸った。

 

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