福島県大熊町の復興拠点 30日午前9時の避難解除を正式決定 政府
30日に避難指示が解除される大熊町のJR大野駅(中央下)周辺の復興拠点から南西方向を望む。駅西側で建物の解体が進み、新たなまちづくりが行われる(小型無人機で撮影)
2022/06/29 09:07
政府は28日、東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域のうち、大熊町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示を30日午前9時に解除すると正式に決定した。原子力災害対策本部の持ち回り会合で決めた。
帰還困難区域で住民の帰還を可能にする避難指示解除は葛尾村に続き2例目。今回解除されるのは、原発事故前に大熊町の中心部だった下野上地区などを含む復興拠点約860ヘクタール。住民登録数は27日現在、町人口の約6割に当たる2233世帯の5888人。昨年12月から始まった準備宿泊には18世帯49人が登録していた。
萩生田光一経済産業相は28日の記者会見で「福島第一原発が立地する大熊町で震災前の町の中心部が解除されることは、今後の復興に向けた大きな第一歩。安心して帰還できる環境整備に、関係省庁とも連携して取り組む」と述べた。