福島県葛尾村野行地区の宝「宝財踊り」受け継ぐ ふたば未来学園高演劇部が披露
宝財踊りを披露するふたば未来学園高演劇部の生徒
2022/08/22 09:09
福島県葛尾村野行地区に受け継がれてきた宝財踊りが21日、東京電力福島第一原発事故による中断を経て、村内の広谷地集会所で上演された。ふたば未来学園高演劇部の生徒が劇を通して踊りを披露し、地域の宝を継承する決意を示した。
村で地域おこし活動をしている一般社団法人「葛力創造舎」が伝統芸能の消滅を危惧する声を受け、上演の場を設けた。上演は2月に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になっていた。
劇の名前は踊りの掛け声にちなみ「宝宝宝(ほーほーほー)」とした。劇中では部員が「棒振り」や「法師」などの役に扮(ふん)し、右足を上げて掛け声とともに三歩進む独特の動きを演じた。
ふたば未来学園高演劇部員と卒業生合わせて18人が踊りを披露した。演劇部OGで野行地区出身の半沢詩菜さん(18)は「観客が楽しんでいる様子が見てとれた。自分が古里の踊りを継承していく」と話した。劇を演じた2年の〓浦羽彩さん(17)は「楽しんで踊ることができた」と手応えを口にした。
野行地区は原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域に指定されていたが、6月12日に避難指示が解除された。