ふくしま浜通り国際芸術祭開催目指す 実行委を設立 風景を生かした彫刻展示など検討

 

2022/08/22 21:18

 

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を経験した福島県浜通りを舞台に「ふくしま浜通り国際芸術祭」を開催しようと、芸術や食に関わる県内外の人たちが実行委員会を立ち上げ、実現に向けて活動し始めた。実行委員長を務めている東京都のライター堀川静さん(福島県富岡町出身)は「芸術の力で地域の誇りを取り戻したい」と話している。

 実行委によると、芸術祭は3年に1度開催するトリエンナーレを想定。2024(令和6)年度に双葉郡を中心に第1回開催を目指す。風景を生かした彫刻の展示などを検討中で、将来的には浜通り全域での開催につなげたいとしている。

 実行委員長の堀川さんは富岡町の夜ノ森地区出身。原発事故が古里に与えた負のイメージがいまだに国内外で払拭(ふっしょく)できてない現状を変えたいと考え、賛同する芸術関係者や生産者らと今年3月、実行委員会を設立した。

 10月に予定しているプレイベントでは、世界的な写真家レスリー・キーの展示会や、都内でレストラン「SUGALABO」を経営する著名なフレンチシェフ須賀洋介さんの料理イベントを開く。22日には須賀シェフが県内の生産者を訪問した。

 実行委は開催に向けて今後、国や県、市町村など関係機関との協議を本格化させる予定だ。堀川さんは「外から来た人が作品を置いていくだけのイベントにはしたくない。住民らとの対話を重ねて賛同を得ながら、地域の人と人をつなげる『線』の役割を担う芸術祭をつくりたい」と思い描いている。

 

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