壮麗な合唱曲「光の走者よ」を地域の代表曲に 福島県いわき市で初演の特別演奏会
「光の走者よ」を情感込めて歌う出演者
2022/10/17 09:30
福島県いわき市を題材にした混声合唱曲「光の走者よ」を初演する特別演奏会は16日、市内のアリオスで開かれた。音楽家信長貴富(のぶなが・たかとみ)さんが作曲、福島市の詩人和合亮一さんが作詞し、命の転生を描いた曲。市内の合唱関係者は「いわきを代表する曲として歌い継ぐ」と誓った。
市内の合唱関係者らが実行委員会をつくり、2019(令和元)年7月、市内のアリオスでユダヤ難民を救った外交官杉原千畝のオペラを公演。公演を機に実行委は名曲をいわきに残したいと和合さんらに曲の制作を依頼した。完成を受け、県合唱連盟いわき支部に寄贈した。
壮麗なハーモニーが特徴の曲。和合さんは東日本大震災で失われた命が新たな生命に受け継がれることを「かなたからきみの バトンを受けつぐ」と表現した。福島西高に勤務していた際に指導し、震災の津波により富岡町で殉職した警察官佐藤雄太さん=当時(24)=に思いを寄せて書いたという。
演奏会には市内の中学や高校、社会人の団体が出演し、信長さんの曲などを披露した。最後に全員で「光の走者よ」を歌い上げ、締めくくった。