ふるさとへの想いと複合災害の記憶を後世に 福島県浪江町で「中浜地区大震災祈念碑」建立

 

完成した祈念碑の前で執り行われた神事

 

2023/06/12 18:10

 

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた福島県浪江町中浜地区に「中浜地区大震災祈念碑」が建立された。古里に帰ることがかなわなくなった住民の思いや津波犠牲者の名前が刻まれており、地区の歴史や震災と原発事故の記憶を次世代につなぐ。11日、現地で竣工(しゅんこう)式が行われた。

 中浜地区は震災の津波で壊滅的な被害を受け、24人が犠牲になった。住んでいた約50世帯は県内外に離れ離れになった。災害危険区域に指定され、古里への帰還ができなくなった。

 住民が住んでいた証しを残そうと、中浜行政区が約3年前に石碑の建立に動き出した。震災遺構・請戸小近くの町道沿いにある宅地跡を町から譲り受け、昨年5月に工事が始まった。

 高さ約2・2メートル、幅約1・8メートルの石碑で、「住民のふるさとへの想いと複合災害の記憶を後世に伝える」などと記されている。裏面には、津波犠牲者を含む震災発生当時に住んでいた世帯主全員の名前が入る。

 式には住民ら約20人が出席。初発神社(双葉町)の高倉洋尚宮司が神事を執り行った。川口登区長(74)=相馬市在住=は「祈念碑が住民の支えとなり、子や孫の世代まで地域の記憶がつながってほしい。住民が古里に足を運ぶきっかけにもなり、震災前の暮らしを思い起こしてくれればうれしい」と話した。

 

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