パートナーシップ制度やファミリーシップ制度を検討 福島県富岡町 性的少数者カップルの関係証明

 

2022/12/15 09:18

 

 福島県富岡町は2023(令和5)年度、LGBTQなど性的少数者のカップルの関係を公的に証明する「パートナーシップ制度」やその子どもも対象にする「ファミリーシップ制度」の導入に向けて検討に入る。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を進める被災地から、互いの人権を尊重し多様な生き方を認める社会の実現を目指す。交流人口や関係人口を増加させ、将来的に移住、定住につなげる。

 県男女共生課によると14日現在、県内で同様の制度を導入している自治体はないという。14日に開会した12月定例町議会の一般質問で、両制度の導入について聞かれた山本育男町長が「来年度、取り入れるべく検討していく」と答弁した。

 町は町男女共同参画推進条例を制定し、性差なく誰もが輝ける社会の実現を目指しており、その理念をさらに深めたい考えだ。この条例に基づく審議会で新たな制度導入に向けた議論を進める。制度は自治体ごとに内容が異なるが、利用者は公営住宅入居が可能になったり、病院でパートナーが病状説明を受けられたりするようになる。理念を取り入れた要項や条例の制定も想定される。

 山本町長は答弁で「全ての町民が互いの人権を尊重し、多様な生き方やライフスタイルを認め合うのが基本。一人一人が幸せを実感できる町を実現していく」と強調した。

 共同通信の調査によると、今年1月1日時点でパートナーシップ制度を導入している自治体は35道府県の5府県と141市区町。政令市など大都市が多く含まれる。

 利用者の転居時に再申請などの負担を減らすため、自治体間で連携協定を結んでいる例もある。

 

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