福島県浪江町のコンクリート製品製造業「ダイイチ」が古里で事業再開へ 町と基本協定締結

 

協定書を手にする吉田町長と下河辺社長(左)

 

2022/12/21 21:07

 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県南相馬市で営業している浪江町のコンクリート製品製造業「ダイイチ」は、町内請戸地区の南産業団地に工場を建設し、古里で事業を再開する。2024(令和6)年3月の操業開始を目指す。21日、ダイイチと町が施設立地の基本協定を結んだ。

 鉄骨平屋の工場を整備し、車止めなどのコンクリート2次製品を製造・販売する。総工費は約10億円。国の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金を活用する。来年1月に着工する予定。地元から従業員5人を雇用する。

 町役場で協定締結式が行われ、吉田栄光町長、下河辺行高社長が協定書に署名した。吉田町長は「再開は大変ありがたい。町の他の事業者への良い刺激にもなる」と期待を寄せた。下河辺社長は「5年ほど前から古里に戻りたいと考えていた。双葉郡や町の基盤整備に尽力していきたい」と抱負を述べた。

 ダイイチは1969(昭和44)年創業。震災と原発事故の影響で2012(平成24)年から、南相馬市に工場や事務所を設けて事業を継続してきた。

 

関連記事

ページ上部へ戻る