原木シイタケの植菌体験 福島県田村 原発事故の影響受けた森林再生に願い
原木にシイタケの種駒を植え付ける参加者
2023/01/30 21:18
あぶくま山の暮らし研究所は28日、原木シイタケの植菌体験会を福島県田村市都路町のふくしま中央森林組合都路事業所旧オガ工場で開いた。東京電力福島第1原発事故の影響を受けている原木シイタケの栽培と、原木用の樹木を育む森林の再生に願いを込めた。
市内は原木シイタケの栽培や、シイタケ栽培用原木の出荷が盛んだった。原発事故の発生がそのなりわいに暗い影を落とし、原木を育む森林は荒廃が進んでいる。培ってきた技術を継承する必要があるとして体験会を企画した。県内外から約30人が参加し、地元・都路で伐採した原木にシイタケの種駒を植え付けた。
県内の原木シイタケ生産者でつくる「県原木椎茸被害者の会」の宗像幹一郎さん、添田政光さん、坪井哲蔵さんが講師を務め、シイタケ栽培の概要や種駒の植え方などを指導した。
この日植えたシイタケは、都路町内の山林で育てる予定。放射性物質の影響で現状では出荷できないため、生育過程の記録などに活用する。