浜通りの歴史や観光名所、巨大壁画に 「いわき平時空MAP」地元有志が制作 福島県いわき市

 

いわき駅とホテルを結ぶ通路に飾られた「いわき時空MAP」

 

2023/03/01 21:05

 

制作に関わった北林さん(右)と藤城さん。地図を見ながら思い出を語り合った=2月28日

 

 福島県いわき市を中心に浜通りの歴史や文化、観光名所を、鳥瞰(ちょうかん)図で描いた「いわき平時空MAP」はいわき市のJRいわき駅と「ホテルB4Tいわき」を結ぶ3階の通路に飾られた。地元の有志が「豊かないわきの魅力を知ってほしい」とアイデアを出し合い制作した。

 昨年7月、エスパルいわきとホテルを運営する仙台ターミナルビルの成長戦略室長早坂昌彦さんが市内の観光地を紹介する街歩きマップを作ろうと企画した。ゲストハウス&ラウンジFAROを営む北林由布子さんが協力し、デザインは市内在住の作家藤城光さんが担当した。

 話し合いを重ねる中、北林さんと藤城さんが「地域の歴史や伝承を加えてはどうか」と思い付いた。藤城さんが地元住民の聞き取りや資料をまとめ、半年ほどで仕上げた。

 縦2・7㍍、横6㍍の巨大な壁画には、戊辰戦争で落城した磐城平城や新たな「常磐もの」として注目が集まるイセエビなど約300種類のイラストが登場する。今後、マグネットで地図に新たな「名所」を付け加えられるように準備を進める方針だ。早坂さんは「地域と一緒に盛り上げたい」と語る。

 2月28日には、FAROで3分の1に縮小された地図を見ながら語り合うイベントが催された。約30人が参加し、思い出話に花を咲かせた。北林さんは「町に興味を持ち、愛着を育むきっかけになる」と期待する。

 藤城さんは「人々の思い出が詰まったいわきの財産が完成した。目に見える観光地だけでなく、土地の歴史や記憶を想像してみて」とほほえんだ。

 ホームページでも公開している。

 

関連記事

ページ上部へ戻る