思い出の校舎にお別れ、津島小・中、最後の一般公開 5日まで福島県浪江町

 

津島中3年生の教室内の黒板に書かれた卒業生へのメッセージ

 

2023/11/05 09:20

 

校舎内が公開された津島小

 

 福島県浪江町教委は4、5の両日、東京電力福島第1原発事故に伴い閉校した津島小、津島中の校舎見学会を催している。一般開放は東日本大震災と原発事故発生後初めてで、今回で最後となる見通し。初日から卒業生が思い出の学びやと再会し、別れを惜しんだ。

 両校は原発事故により町が二本松市への避難を決めるまで、大勢の町民が身を寄せた。津島小2階の教室の黒板には現在も3月14日の日付が記されままで、避難先を二本松市と決定した資料が貼られている。津島中では3年生の教室に在校生らが書いた「卒業おめでとうござます」のメッセージが残り、掲示板に卒業生の集合写真が掲げられている。

 当時の混乱ぶりを感じる津島小の教室で、卒業生の菅原みずほさん(40)=福島市=と佐藤志帆美さん(40)=宮城県=が思い出話に花を咲かせた。母校を目に焼き付けようと同級生同士で一緒に訪れた。菅原さんは「(震災前の)楽しかった記憶がよみがえる。『この場所で私たちたちが学んだんだ』と分かるような証しが今後残ればうれしい」と願った。佐藤さんは机や椅子を見つめ「小学生に戻った気分。中に入れて良かった」と感慨に浸った。

 津島小には2人の同級生の国分和子さん(40)=福島市=の姿もあった。震災と原発事故発生当時、娘2人が同校に通っていた。掲示板に貼られていた我が子の写真を見て「避難により友だちと離ればなれになった。津島小に通えなくなったのは残念だったと思う」と複雑な表情を浮かべた。

 両校の校舎は現在、民間事業者が利活用を模索する動きがある。町は活用できるかを検討した上で、年度内に解体するかどうかを判断する。活用が見込めない場合は来年度以降に解体が始まる見通しだ。

 見学会の最終日の時間は午前10時から午後3時まで。

 

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