福島県浪江町の復興拠点、31日午前10時に避難指示解除 政府、県、町が合意 復興加速化に期待
2023/03/02 09:51
東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県浪江町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示は31日午前10時に解除される。1日、政府、県、町の3者が町役場で協議し、合意した。復興のさらなる加速化や住民帰還が期待される。復興拠点の解除は葛尾村、大熊町、双葉町に続き4例目。今後、政府原子力災害対策本部が正式決定する。
3者協議は非公開で行われた。吉田栄光町長が解除日を提案し、政府原子力災害現地対策本部長の太田房江経済産業副大臣、鈴木正晃副知事が同意した。
吉田町長は協議後の記者会見で、「解除は町の新たなスタート。先人が築き上げてきた町、住民の生活を取り戻していきたい」と述べた。解除日は6年前の一部避難指示解除と同じ月日となり、「住民の意向や町の計画を踏まえた」と明かした。「この地域を一歩ずつ前に進める」とし、生活環境の改善や農業の再生などに努める考えを強調した。
浪江町の復興拠点は室原、末森、津島3地区の計661㌶。「文化的な価値のある施設」の陶芸の杜おおぼりと、大堀相馬焼の里も含まれる。1月1日現在、329世帯、897人が住民登録している。昨年9月から住民の準備宿泊が始まり、28日時点で10世帯20人が申請している。
復興拠点の解除に向け、町は国や県と連携し、除染や生活環境の整備を進めている。津島地区では町津島支所の業務を昨年4月に再開させたほか、支所近くには10戸の町営住宅を建設した。今年度末には営農再開も見込んでいる。
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県内6町村に設けられた特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示は昨年6月に葛尾村と大熊町、同8月に双葉町で解除された。富岡、飯舘の2町村は今年春ごろの解除を目指している。