震災と原発事故後初の全神事 福島県楢葉町の大滝神社例大祭

 

みこしを担いで海岸までの道のりを練り歩く関係者

 

2023/04/10 09:23

 

海岸近くの津之神社で神事を行う関係者=楢葉町

 

 福島県重要無形民俗文化財に指定されている同県楢葉町の大滝神社の例大祭「お浜下り神事」のみこし渡御が9日、町内で繰り広げられた。みこしが木戸八幡神社を出発し、町内の出羽神社のみこし行列と合流し、浜辺に向かった。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、全ての神事を行うのは初めて。町民は地域で大切に継承してきた伝統行事の復活を喜んでいた。

 浜下り神事は五穀豊穣(ほうじょう)と地域の安全を願い、毎年4月に5日間行われてきた。木戸川上流にある大滝神社のご神体が旅所(たびしょ)を巡り、木戸八幡神社に宿る。その後、町内の海岸までみこしが下る。今年は6日から10日まで。

 この日は関係者約70人が木戸八幡神社から町内の津之神社まで約4キロの道のりを、みこしを担いで練り歩いた。10日はご神体を大滝神社に見送る「還山祭」を行う。

 

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