アニメ映画「とんがり頭のごん太」 物語の舞台、福島県浪江町で上映会 俳優斉藤暁さんがあいさつ
舞台あいさつで、映画を通して「震災を絶対に風化させない」と呼び掛けた斉藤さん
2023/04/24 10:01
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後の福島県浪江町などを舞台にしたアニメ映画「とんがり頭のごん太―2つの名前を生きた福島被災犬の物語―」のメモリアル上映会は23日、浪江町のホテル双葉の杜で開かれた。昨年6月の劇場公開から1年となるのを前に、物語の起点となり、製作やプロモーションに協力した町内での上映会が実現した。声優を務めた郡山市出身の俳優斉藤暁さんが舞台あいさつに臨み、「映画を通して震災を絶対に風化させない」と語った。
映画はワオ・コーポレーションの製作、福島民報社、光文社の協力。震災、原発事故で離れ離れになった飼い主と犬の絆、動物保護ボランティアの無償の愛を描いている。劇中、なみえ焼そばが名物の食堂の店主で、ごん太の飼い主富田清の声を担当した斉藤さんは、震災直後に東京で出会った避難者とのエピソードを披露し、「震災の怖さを忘れたい気持ちと絶対に風化させないという思いが映画に込められている。多くの人に見てほしい」と願った。
上映会では家族連れら町民約50人が鑑賞した。製作に当たったワオ・コーポレーションの青木清光プロデューサー、浪江町商工会の鈴木仁根会長、浪江青年会議所の小林直樹監事があいさつし、映画を通して震災を知らない世代にも伝えていくと強調した。
映画は「Amazon Prime Video」「U―NEXT」で配信している。