福島県飯舘村長泥行政区の復興拠点避難指示解除5月1日午前10時 政府が正式決定
2023/04/26 09:59
政府は25日、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち飯舘村長泥行政区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)と、復興拠点外にある「長泥曲田公園」の避難指示を5月1日午前10時に解除すると正式決定した。県内7市町村の帰還困難区域で、復興拠点外の解除は初めて。6町村に設けられた復興拠点の住民帰還を伴う解除は飯舘村で完了する。
原子力災害対策本部の持ち回り会合で決めた。復興拠点は約186ヘクタール。短期宿泊や交流のための集会所、公衆トイレなどを整備した。環境省による除染で出た土を農地造成に再利用する事業が進められている。今月1日現在、62世帯197人が住民登録している。
復興拠点外の長泥曲田公園は約0・64ヘクタール。居住を想定しない産業用地や公園利用など特定目的での土地活用を条件とする特例を適用し、地面を舗装するなどの放射線量低減策を取った。空間放射線量を定期的に測定し、低減の推移を確認する。長泥行政区の復興・再生の取り組みを発信する場所としての役割も担う。公園までの道路も解除範囲に含まれるため自由に往来できる。今月1日現在、復興拠点外全体で10世帯29人が住民登録している。
西村康稔経済産業相は25日の記者会見で「避難指示解除はゴールではなく、復興に向けた新たなスタートだ。引き続き安心して帰還できる環境整備に取り組む」と述べた。