震災と原発事故で本社移転 12年ぶり本拠地で業務再開 福島県富岡町の警備会社

 

富岡町に再建した本社前で決意を示す鹿島社長

 

2023/06/11 10:18

 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で福島県広野町に本社機能を移していた同県富岡町の警備業「コスモさくら警備保障」は12日、約12年ぶりに富岡町内での業務を再開する。鹿島栄子社長(70)は復興が進むかつての本拠地で、地域の安心と安全を守る決意を新たにしている。

 コスモさくら警備保障は1998(平成10)年に設立。双葉郡を中心に建設現場での交通誘導や、イベント会場での安全警備などを担ってきた。震災と原発事故により避難を余儀なくされ、広野町に本社機能を構えて営業してきた。

 富岡町は4月に特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が解除され、新たなまちづくりが進む。町内で業務を再開し、復興に貢献したいと意気込む。震災と原発事故前と同じく、町内大菅字川田に本社を構えた。もともとあったプレハブの建物を解体し、社屋を新築した。夜の森地区には寮も整備し、社員の労働環境も整った。

 広野町の営業所は事務所として活用する。鹿島社長は「富岡町を中心に地域をくまなく警備し、安心して暮らせる場所であることを示したい」と話している。

 

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