浪江駅側に住民利用機能 まちづくりとの連続性考慮 復興庁、エフレイ本施設の方向性案示す 福島県浪江町に整備
2023/06/27 09:35
復興庁は福島県浪江町に整備する福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)の本施設について、住民を含めて不特定多数の人が利用する機能をJR浪江駅側に集約し、駅周辺のまちづくりとの連続性を考慮する。世界最高水準の研究を進める環境を整備しつつ、地元が求める地域との連携・交流を実現できる施設を目指す。26日、町内で開いたアドバイザリー会議で施設整備の方向性案を示した。
方向性案の概要は以下の通り。施設内には研究者や地域住民、企業・大学関係者らが集える交流空間の設置を検討する。建物は周辺の景観を踏まえた高さとする方針を盛り込んだ。地域産材の活用、建物のエネルギーの年間収支を実質ゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)」の導入なども検討項目に挙げた。
地域との関わりを重視する一方、機密性の高い研究を進める場所の確保も必須となるため、具体的な機能配置などは今後議論を深める。本施設には事務室などの本部機能、研究交流などができる研究・実験機能、短期滞在・産学連携機能などを設ける方針。
復興庁は方向性案に基づき、10月ごろの次回会合で施設基本計画の素案を示す。来年1月ごろに計画案を公表する予定。
【施設整備の方向性案の概要】
▼周辺環境や景観に配慮した施設づくり
・JR浪江駅前周辺のまちづくりとの連続性を考慮
・周辺の景観を踏まえた建物の高さ
▼親しみやすい施設づくり
・各棟外観に地域産材の活用などを検討
・研究者や地域住民、企業・大学の共同研究者らの交流空間の検討
・研究成果を広く情報提供する空間や手法の検討
▼多様な研究内容に応じた施設づくり
・分野横断、異分野融合に向けた交流・連携空間の創出
・研究成果を還元・実装できる環境の整備
▼安全で快適な施設づくり
・災害時にも業務が継続できる環境整備
・適切なセキュリティーレベルの設定
▼地球環境にやさしい施設づくり
・再生可能エネルギーの活用、ZEB化や木造化の検討
▼早期供用を目指したサスティナブルな施設づくり
・段階的かつ早期に施設整備を実現できる方策の検討
・柔軟な改変や将来的な増築などへの対応の検討
・適切な洪水対策の検討