「大熊インキュベーションセンター」開所1年 会員88社に増加、企業間の連携進む 福島県大熊町
センター内にある無人ストア。カメラ(中央上部)で商品を識別し、タブレット操作で購入できる
2023/06/28 09:38
福島県大熊町の起業支援施設「大熊インキュベーションセンター」は7月、開所から丸1年を迎える。当初31社だった会員企業は88社にまで増え、企業間の連携なども生まれている。
センター内に事務所を設けているのは7社で、それ以外の企業はシェアオフィスの利用を会員登録し、必要に応じてコワーキングスペースや会議室など活用している。
ソフトウエアの企画開発などを展開するAIBOD(福岡市)は、冷凍食品を取り扱う一般社団法人フローズンエコノミー協会(東京都)などと協力し、センター内で無人ストアを運営している。商品を小型カメラで識別し、タブレット端末を用いて電子決済で購入できる。同様のストアは大熊町役場や南相馬市の福島ロボットテストフィールドにも導入されている。商業施設が十分に整っていない大熊町内で、重宝がられている。
車中泊事業を手がけるカーステイ(横浜市)は、町内の交流施設linkる大熊と共同で施設駐車場に車中泊用エリアを設けた。近隣には温浴施設があり、宿泊の利便性を考慮し、導入が決まった。
農業分野などでの企業連携も進んでおり、センターが橋渡し役を担っている。コミュニティマネジャーを務める谷田川佐和さん(26)は「入居企業だけでなく一般の利用もできる。気軽に見学にきてほしい」と話している。