「グループ全体で復興に貢献」 ROCKWOOL Japan(福島県富岡町) イアン・ラッセルCOOが決意

 

復興への貢献を誓うイアンCOO

 

2023/07/05 16:18

 

 断熱・保温・吸音材の製造販売で世界のトップシェアを誇るROCKWOOL社(本社・デンマーク)は福島県富岡町に日本法人「ROCKWOOL Japan」の本社兼工場を構え、国内市場の開拓を進めている。イアン・ラッセルCOO(最高執行責任者)は福島民報社の取材に「グループ全体で東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に貢献する」と強調した。

 

 ―富岡に国内の製造拠点を置いた理由は。

 「日本市場への進出を計画していた時、富岡の万象ホールディングス(HD)から事業譲渡の話が持ち上がった。同社の資産を有効活用し、復興に貢献したいという思いが強かった。富岡で事業をすることに情熱と誇りを持っている。地元採用に力を入れ、現在は地元が4割を占める」

 ―商品の特徴は。

 「社名のロックウールが断熱材の商品名として使われるぐらい世界に浸透している。多くの競合他社が鉄鋼スラグを原料とする中、玄武岩を用いて独自技術で断熱材を作っている。熱が逃げにくく、保温性が高い。環境に優しい商品を作っている点を消費者に伝え、市場を開拓したい」

 ―新たな取り組みを進めている。

 「環境面を重視し、今年度はリサイクルの設備に投資する。製造過程で発生する端材を回収し、原材料として戻す設備を整備し、廃棄物を出さない仕組みを構築する。生産能力は近い将来に限界を迎えるため、新工場を建設する時が来る。場所は決まっていないが、既存の工場近くになる例が多い」

 ―富岡の印象は。

 「埼玉県と行き来し、週の半分を富岡町で過ごしている。町が復興に向け、日々変化しているのを感じる。休日に趣味の自転車で浜街道を走っており、素晴らしい景色が気に入っている」

 

※ROCKWOOL社=グループ全体で世界39カ国に45の生産拠点を置き、年間売上高は約4000億円。国内進出の足がかりとして日本法人を設立。民事再生法適用を申請した万象HDから事業譲渡を受け、2021(令和3)年9月、富岡町本岡の工業団地に本社兼工場を移した。工場の従業員は約70人。

 

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