双葉に響く「群青」 震災犠牲者を鎮魂 福島県の「常磐線舞台芸術祭」

 

群青を披露する県内外の合唱団ら

 

2023/08/06 09:21

 

 福島県浜通りのJR常磐線沿線で演劇や音楽公演が繰り広げられている「常磐線舞台芸術祭」で、福島市の詩人和合亮一さん監修の「日没、新しい夜明けに」は5日、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で催された。県内の合唱団や全国の歌い手が震災後に生まれた「群青」などの曲を歌い、震災犠牲者の鎮魂を祈り、被災地のさらなる復興を願った。

 群青は小高中(南相馬市)の先生と生徒が避難先で編んだ合唱曲。古里や離れ離れになった友への感情を歌詞にした。県合唱連盟いわき支部、浪江混声合唱団、南相馬市のゆめはっと合唱団の他、阪神大震災を経験した全国の有志ら約120人が歌声の輪を広げ、復興への思いを一つにした。作曲した小田美樹さんがピアノ演奏を務めた。

 震災の津波で殉職した教え子の警察官にささげるために和合さんが作詞した「光の走者よ」、復興への祈りを込めた「夜明けから日暮れまで」、浪江町から着想を得た「大地讃頌(さんしょう)」も歌い上げた。最後は、なみえ創成小・中校歌を披露した。曲の合間にそれぞれの歌詞の朗読を繰り広げた。

 アートパフォーマンスもあった。郡山市在住の書道家千葉清藍(せいらん)さんのパフォーマンスや音楽に合わせ、和合さんが新作「日没詩篇」を朗読した。

 

関連記事

ページ上部へ戻る