「花の里」の復活願い苗木植える 避難指示解除の福島県飯舘村・長泥行政区で植樹祭
復興を願い、苗木を植える参加者
2023/10/15 19:48
東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が今年5月に一部地域で解除された福島県飯舘村長泥行政区で15日、植樹祭が開かれ、住民らが「花の里」復活に向け苗木に願いを込めた。
地元住民らでつくる実行委員会の主催で、昨年に続き2回目。住民や関係者合わせて約160人が参加した。特定復興再生拠点区域(復興拠点)内の集会所「長泥コミュニティーセンター」周辺にシダレザクラとサルスベリの苗木計90本を植樹した。雨が降る中、スコップで若木の根元に優しく土をかぶせ、成長を願っていた。
鴫原清三実行委員長は「多くの人が長泥に集まってくれて大変うれしい。古里を後世につなぐため力を尽くしていく」と語った。
長泥は昭和30年代ごろから、住民が国道399号の峠沿いに桜やツツジなどを植えてきた。「花の里」として広く知られるようになり、村内外から多くの花見客が訪れていた。
実行委は原発事故からの復興を後押ししようと来年も植樹祭を催す予定。3年間で花などの苗木を計約300本植える計画だという。